隣国 韓国の闇

死にたいけど、トッポッキは食べたい

 退院して、しばらく、何をする気にもならず、ボーっとしていましたが、「現実に戻ろう」と思い、とりあえず、興味の引く「エッセイ」を読もうと思いました。それで、3冊の「エッセイ」を読んだのですが、

「死にたいけど、トッポッキは食べたい」 パク・セヒ
「私は私のままで生きることにした」   キム・スヒョン
「あやうく一生懸命生きるところだった」 ハ・ワン

という、韓国の作家の方の「エッセイ」というより、「韓国」という発展してきていてどんどん「もっともっと」となっている社会の中での「叫び」のようなものを感じる、内容の本を読みました。
「No.1にならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン。」というSMAPの歌が、流行る前の「日本」つまり、私達の世代の日本にも通じますし、この3冊、韓国でも日本でもベストセラーになったらしいので、今も、こういう本を、真剣に読むような若者が、日本にもいるのでしょう。
 私も大いに共感しました。
特に、「(女性は)体脂肪17%、体重は48gでなけれぼ不健康。明るく控え目な性格で、一流大学を出て大企業に勤めなくてはならない。」という価値観や、「500万ウォン(50万円以上の月給)・2000㏄クラスの中型車をもつ・一億ウォン(約1000万円)以上の与金残高がある・年に一度海外旅行をする」というのが、「中流層の暮らし」だと思われているようで、すごくびっくりしました。

 当然、「学歴主義」ははびこっているし、たしかに「EーGirls」とか「TWICE」「KARA」など、韓国のアイドルグループが日本でも、流行っていて、男性の方はあまり知らないのだが、女性の方は、本当に「無個性」というか、みんな物凄く細くて、ある意味可愛くて、なんか歌の内容も、「毎日確かに生きて行こう」みたいな?なんか、意味があるのか無いのか分からないような、要するに、「POP」な感じですね。まあ、取り立てて言うなら、「ダンス」が上手い。なんか、可愛い感じの物からカッコいい感じのものまで、頑張ってアイドルをやっているんだろうなーと言う感じ。
 それで、そう言う中から、SNSでのひどい誹謗中傷を受けて、自死を選ぶ「有名タレント」も多くて、私は日本の抱える「心の闇」ばかり見ていたけれど、韓国はもっと大変なのかなと思いました。

因みに、「私は私のままで生きることにした」からですが、

イギリス(オックスフォード大学による中間層の条件)として
・常に公正にふるまうこと
・自分の主張と信念を持つこと
・ひとりよがりにならないこと
・弱者の方を持ち強者に立ち向かうこと
・不正義・不公平・不法に対して毅然と反対すること

フランス(ポンピドゥー大統領が「生活の質」の向上の公約で定めた中流層の基準)
・外国語を一つ以上使いこなし、広い世界を経験すること
・一つ以上のスポーツを楽しむこと または一つ以上の楽器を弾くこと
・ご馳走を作って、お客をもてなすこと
・ボランティア団体に参加して活動すること
・他人の子を自分の子のように叱れること

だそうです。全然違いますね。人間観・人生観が。まあ、この辺りが、日本も韓国も抱える、「経済発展に汲汲している、後進国である。」といえますかね。

貧しい国でも、「世界で一番幸せな国 ブータン」もありますね。
・GDPでなくGNH(国民総幸福量)を第一にすると「国王」が明言。
・足ることによる幸せではなく、当たり前の生活を送れる幸せ
・医療・教育を無償で平等に提供
・「1日3食食べられて、寝る所があって、着るものがあるという安心感」それだけで満ち足りていて幸せだと思える。(宗教心)それが、ブータンの人々の「幸福」に繋がっている。

ここまで来たら、本当に、「幸せとは何なのか」と思わざるをえません。日本の中流層の基準はどうなるでしょうか?物議を醸しだしそうで、みんな統計を取りたくないだろうけれど、老後の貯えが2000万円以上、必要とか言ったりもしますし、何が何だか…と言う感じです。日本も韓国も、もともと「宗教心」の強い民族じゃないのかなと思います。「仏教だか、キリスト教だか、儒教だか」は分かりませんが。
 
色々と経済発展してきて、街にはモノが溢れています。でも心が満ち足りているか…というと一人一人難しい問題です。私は、今、仏教の話を聞いて、何とか毎日を支えている状態です。結局、社会が「もっともっとお金を!物を!完璧な物を!」と求める時期と言うのは、ある程度で疲れてしまいますよね。際限なく求めて、沢山食べても、「お腹がいっぱい」で苦しいんですよね。お腹がすいていても苦しいけど、お腹が一杯なのにもっと、食べるのも「苦しい」(仏教のお話しより)。
 だから、韓国の「声を上げた、3人の作家」に敬意を表したいと思います。そして、日本でも、沢山の若者が路頭に迷っている現実を知っていただきたいな…と思います。
 本書を書いていただいて、感謝です。👩

 後、追記しておかなくてはならないのですが、「韓国」と言う国は色々な、お国事情も抱えていて、1950年に「大変な非人道的な『朝鮮戦争』」を経験しており、その反動で韓国人が身に付けた、極端な生存競争、物質万能主義、手段を択ばない個人主義(6・25心性と言う。)が横行しているとのことです。だから、「韓国の社会=悪い」ということでもないのです。あえて、言うなら、開国の昔から、隣国の日本に支配続けられていた、(漢の和の那の国王時代から)歴史もあり、日本にも責任がある訳です。
 しかし、朝鮮戦争から、既に、70年経っており、「戦争・悲惨な歴史」を直接知らずにに育った「若者世代」はたまったものではないとおもいます。
 そういう、歴史認識もとても大事だと思います。