これからの幸せのヒントがあるのでは?

HYGGEな子どもたち
 自分を幸せにする北欧の小さな生活習慣

 日本が狭くて、苦しくて、辛かった時期がありました。高校は、朝から晩まで受験勉強。その学校出身の教師は、蚊の鳴くようなやる気のない声で、生徒が分からないのも無視して、授業を続けました。
 結果、音楽の授業と吹奏楽部の部活にしか出ない生徒になり、いつしか昼夜逆転していました。

 Ninaさんは、この本の冒頭で、
「実は北欧に住む前の私は、ずっと何かと、誰かと競争して自分と誰かを比べていました。」
「そして何かがちょっとできないと、自分自身を責めていました。」
「私、ここがダメだから、こうしなきゃいけないって。」
と告白されています。そういう感情は我々日本人が大なり小なり持っている感覚ではないでしょうか?誰かに勝つために、世間に勝つために、「一人で頑張って生きて行く。」それが、人生なのだと感じさせられているのではないでしょうか。
日本からアメリカに行き、「競争すること、実力主義は当たり前」「一番になることも当たり前」「それは誰かを蹴落としてでも、自分がその位置にいる事に意味があった」と語られています。
 スウェーデンに来た頃、ある日働いていたデザイン会社で、Ninaさんが「私、カンヌで賞(カンヌ広告賞)取りたいな!」と言うと、同僚のマリアさんが、不思議そうに聞いてきたそうです。
マリアさん「なんで?」
Ninaさん「だって、一番になりたい!」
マリアさん
「どうして一番になりたいの?
 ニーナはニーナでひとりしかいないんだよ。
 ニーナはアメリカに住んでいたからそう思うのか
 もしれないけど、ここではね、オンリーワンでい
 ることが大切なんだよ。
 一番になりたいってことは、ニーナはニーナを大
 切にしていないよ」
と言ってくれたそうです。そして、北欧の人々はことあるごとに、
「ねえ、そのままでいいよ。
 いいところも悪いところも全部ぜんぶ大好きだか
 ら、そのままでいいよ。」
と語り掛けてくれたそうです。

いやはや。日本て息苦しいなあ…と感じる事は多かったものの、文化の違いってこういう所に現れるのでしょうか?
そういう北欧の人々が、何を喜びとし、どういう生活を送っているのか?北欧の子育てとは?働き方とは?そういうことが書かれている、とても可愛い本なので是非手に取って下さい。私は目から鱗でした。

いいですね。北欧。
なんだか、日本から出て知らない土地で、新しい価値観や文化に触れたくなりました。
そう。「自分は自分の人生を歩めばいい。」そんなことさえ、あの高校時代には考える事ができませんでした。
「日本が悪いから、古いから」と言って、終わっていても意味はありません。東京オリンピックで、スケートボードの10代の各国の選手たちが、順位が出ても笑顔でお互いを称えていました。最も称えられていたのは4位だった「難易度の高い技」に挑戦した選手でした。その勇気にみんなが敬意を表したのです。
 確かに、順位がついたのは、みんなが一生懸命技を競い合い、最終的についただけのこと。それも大切だけれども、それまで互いに高めあって練習し、オリンピックに出場し楽しんだこと。…そのことが大事ですよね。
「いいところも悪い所も全部好きだから」なんて、日本人には言いにくいけれども、これからは、お互いの事を「全部好き」と言えるような、文化が来れば、いじめやパワハラ、意味のない競争文化が薄れてくると思うと、そういう気持ちで人と接することは大切な事だなと思いました。

 うーん。日本て、やっぱり遅れてる。
ここでは、さわりしか書けないので、是非読んでください。

世界を舞台に活躍されている、Ninaさん。行きついた価値観は?
BLOG:FIKA?(フィーカ?)
 デザインを本業にされています。