マッサージの勉強が一区切りになり、今日の休みはどこかに出かけたい…と思い、かねてから気になっていた、六甲アイランドの神戸ファッション美術館へ行ってきました。
1年くらい前に、ミュシャ展に行ったのですが、時々ツボに入る展覧会が開催されています。
「内藤ルネさん」どれくらいの方が知っているのでしょうか…。私は、20代の頃に、美輪明宏さんの著作が好きで読んでいて、その中に「それいゆ」の中原淳一さんが紹介されており、それに続いて名前が出てきた方が、「内藤ルネさん」でした。
2007年頃に他界されていますが、かなり最近まで活躍されていたんですね。彼は、中原淳一さんが体調を崩された後に、「それいゆ」「ジュニアそれいゆ」を手掛けて行かれたようです。
「それいゆ」は日本敗戦後に出版された、少女雑誌の走りですね。当時は、雑誌も挿絵が沢山あり(写真技術が、まだまだ一般的でなかったと思われる)、中原淳一さんや内藤ルネさんの描かれる、可愛くて綺麗な女性の絵が、日本の女の子たちにすごい支持を集めました。
内藤ルネさんの作品は、パンダとかイチゴとか、トマトなどのイラストもあり、「あー。見たことある。」と思われる人も多いと思います。私もその一人でした。
中原淳一さんの展覧会には、20代の頃に、京都に行って、何枚もポストカードを買って帰って来た思い出が。本当に美しい挿絵です。
それいゆ等の記事の中で、中原さんも内藤さんも、「生活を美しくおくる。」というコンセプトを出されています。貧しくとも、生活に工夫をして楽しく可愛く美しく送って行こうという、メッセージが込められています。
なので、記事には、手芸の方法や料理、ちょっとしたファッションの工夫、色使いの工夫などが、ふんだんに書かれており、今日はその昔の記事や写真もありましたが、とても面白くて参考になりました。
また、「人形作り」が好きだった、内藤ルネさんの、ピエロ・ライオン・ネコ・女の子・「風と共に去りぬ」のマミーなどの人形が展示されており、それが独特のデザインで、面白いなあと思いました。私も、人形作りが好きだけど、まだ編みぐるみとかテディベアくらいしか作れないので、「こんな人形もあるんだー。」とか「オリジナルの人形を作る人もいるのか…。」と勉強になりました。
自分でデザインするとなると、デザインだけでなく、材料や、作り方も自由な訳ですから、それなりに知見が無いと難しいだろうなーとか思いました。
右のポストカードとシールは、今回、私が内藤ルネ展のSHOPで購入したもの。お財布事情が苦しいので(笑)、この3つに絞りました。昭和のこの時代、雑誌の「VOGUE」やオードリーヘップバーンなどの白黒映画がアメリカやヨーロッパから入ってきていて、ルネさんはそういう女性を研究しておられたようです。だから、「どんどん首が長くなって行った。」と書いてありました。
久しぶりに、昔の洋画が見たくなった。ルネさんは、手帳のアイデアとして、「観た映画の感想や音楽やファッションなどの紹介や感想を書くといいですよ。」と提案されていたけど、そういうのは今は活きるアイデアなのだろうか…。今はスマホに入れるのかな?
映画も、半年後には、もう動画配信されてしまう世の中だからねー。「映画を観る」という事自体が、そこまでスペシャルなものではなくなっているかもです。でも、あえて、動画でもなんでも流し見しないで、コメントをどこかに置いて置くと、面白いかもしれないですね。
後、椅子とか机とか家具を全て白に統一するとか(沢山のレースを使う)、いっそのこと全てをピンクにするとか、そういう遊びも提案されていました。全てをトマト柄にするとか。(笑)
今日買ったシールも、空き瓶やノートの表紙、スマートフォンやカレンダーや手帳に貼って「カワイイ」を作る、「アクセサリーシール」というコンセプトが、1970年代に大ヒットしたもの。私が買ったシールは、チューリップですが、他にも、トマトやナスビ、キュウリなどの野菜シリーズ、見たらすぐに「見たことあるわ。」と思う、パンダシリーズ、などなど沢山の、イラストシールがありました。
内藤ルネさんは後に、同性愛者であることもカミングアウトされているようです。事実、同性愛の雑誌「薔薇族」の表紙も描かれておられました。本人には色々な葛藤があったのかもしれません。沢山の「カワイイ」を発信したルネさんは、沢山のカワイイ「女の子」を描いているけど、それは自分の理想の女の子だったようです。そこに自分を重ねているのかそうでないのか?そういう部分は分からないけど、女性以上に「カワイイもの」を生み出す才能を持っていたことは事実ですね。
「あなたにもし不幸が襲ったら
ひたすら耐え
時間が気持ちを救ってくれることを
信じてください」
内藤ルネ