右のブロンズの像は、この間薬師寺に参拝した折、西塔に納められていた物です。「仏伝ー成道・転法輪・涅槃・分舎利」の場面を一つ一つ表したもので、本当にそのブロンズ像に宿った魂の威力なのか、凄く訴えかける物がありました。
右の場面は、ブッダがとうとう悟りを開いた場面です。ブッダは、悟りを開く前に、弓や剣で脅してくる者や、悪魔の手先の3人の美女に誘惑されたりしますが、結局、自分を襲おうとするものも、誘惑してくる美女たちも、そして自分を貶めようとするとする悪魔も、「自分自身の心が作ったものだ。」と悟られたようです。
金色に光っているのがブッダで、周りの物は、弓矢で射ようとしたり、半裸の美女が3人、ブッダの周りにいることが見て取れます。
東塔が改修が終わったという事で、それも見ものでしたが、以前来た時に、全くピンとこなかった、西塔のこの作品の凄さは、仏教を少し学んで、ブッダの生涯が何となく頭に入っていたので分かりやすかったのだと思います。
余りにも凄い作品だったので、どんな人が作ったのだろうと思い、お名前だけ手帳に書き写しました。このブロンズ像は、筑波大学教授で紺綬褒章・文化勲章受章もされた中村晋也さんの作品だそうです。
仏を表現するのに、自分もまた仏道に入られて、その境地を得るようにするのでしょうか。人柄を存じ上げないので分からないですが。しかし、悟りきって心穏やかになられた顔のブッダに変わって、周りの人たちの、欲・怒り・恨み…に駆られた、醜悪な様子が目を引きます。
「なんだろう?」と思って調べてみると、結構、自分が同じ系統の物に惹かれているのが分かりますね。でも、お名前は知らなくても、素晴らしいものを観た。…と思いました。😄