夢の舞台 ローザンヌ国際バレエコンクール

真摯な姿に清々しい気持ちになる。

 2か月ほど前におばさんから、「兵庫県立文化センター(西宮)で、「ローザンヌ国際バレエコンクールの日本予選があるよ!」と母にメールが届き、「行きたいね。」と話していて、しばらく忘れていたのだが、凄いタイミングで思い出して、2人分チケットを取った。
 バレエと言えども、アマチュアの若手の登竜門の選考会なので、値段はA席¥3000と、予想よりもお安かった。

 日本予選とは日本人のみの予選です。ちなみに、ローザンヌってフランスだと思っていたけど、スイスだった。

 小学校4年生から、高校1年生くらいまでバレエをしていたけど、最後には挫折のような感じで止めたので、40代に入ってこだわりなしに若手の演技を観られるようになったのは本当に素晴らしい経験だった。「ローザンヌ国際バレエコンクール」は若いバレエをしている人が、一度は出場を夢見る舞台だと思う。勿論、今回の予選に選ばれるだけでも、すごいビデオ審査を勝ち抜いているし、皆が皆チャレンジできる訳でもない。大体が、「バレエをたしなんでいました…。」くらいで終わって行くのが、この世界なのだが。

 最後にエキシビションがあって、東京バレエ団の上野水香さんらがプロの演技を披露してくれた。その中で、コンテンポラリーダンスで、「藪の中 武弘の証言」という演目があり、小尻健太さん(1999年 ローザンヌ国際バレエコンクール受賞者)のバレエがあった。
 「藪の中」とは芥川龍之介の作品より、若侍武弘の証言をもとに、着物と能面、三味線などの音楽を使って、踊られていた。10代・20代の頃には、全く理解できなかったと思う。
 「藪の中」も知らないし、和製の音楽は「つまらない」と感じたかもしれない。ダンサー表現力の素晴らしさも分からなかったかも。
 だから、歳を重ねて、色々な経験や知識を持ってバレエを鑑賞できるのは素晴らしい経験だなと感じた。今現在は、三味線の魅力も伝わってくるし。

 今は、プロにならなくとも、ダンスを観たり楽しんだりする経験は、万人に機会があるし、優劣を付けずに楽しむこともいいなと思う。「ダンスの素晴らしさ楽しさ」が分かるからこそ、プロのレベルで切磋琢磨されて、自分の踊りの道を行かれている方は尊敬する。

 コンクールの方も熱戦で、最後に選ばれた4名が、是非来年にTVで観られることを楽しみにしている。

プログラムの表紙は、昨年ローザンヌ本選で2位だった、田中月乃さん。
2022/10/4